サディズムなき世界を求めて
二十一世紀を迎えてなお、世界は文化圏の対立や差別といった問題に悩まされ、そして個人の生活においても、いじめや社会への不安などが絶えません。
そんな中で人は
時として、今を生きていることさえ忌々しく感じてしまいます。
しかしながら、「それが世間というもの」として看過されてしまうかもしれない、こうした情勢の根底には、むしろ子供っぽい衝動が横たわっているのではないでしょうか。
何者かを理由もなく悪者にして叩きのめす行為を、いじめと呼びます。
そしていじめる側は頻繁に、相手を汚いとか劣っているなどと言って、その理由をこじつけます。
そうした口実を民族や宗教の問題にして、特定の人種などをいじめることを、差別と呼びます。
そして人は今日に至るまで、誰かを悪者にして叩きのめしてきたのです。
人間は今日まで、高度な技術と文明を発展させてきました。
その一方でこうした行為の幼稚さや、そこに横たわる自己嫌悪を直視するという努力を、怠っていたのではないでしょうか。
故にそれらを宗教や民族、そして世間という一言でごまかして、問題を放置してきたことが、それらを深刻化させてきたのです。
そしてもし、世界がこれ以上サディズムによって動いてゆくのなら、やがて誰も生きられない世界が到来することでしょう。
今日まで人は、差別や憎悪などによって人が生きられない世界を形作りながら、自殺などせず生きていかなければならないと言ってきました。
しかし人はそうすることで、自らの後ろめたさから目を背けてきたのではないでしょうか。
そもそも宗教家たちを悩ませてきた「原罪」や、キリストが「サタン」と呼んだものは、サディズムそのものといえます。
そして誰もが真に生きられる世界は、人が生きにくさを押し付け合うことを止め、真の共存を目指した時、始めて到来すると思うのです。
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