ペルセポネの夢2
女神ペルセポネは言わば、現世と冥府の調停者である。
そして人が無意識のうちに抑圧して来た思いは、心の冥府とも言うべき領域となるが、この無意識を積極的に解釈したのがユングであった。
また、太古のシャーマンはいわば、目の前のことと無意識との関連を見いだす達人であり、夢は彼らにインスピレーションをもたらす宝庫であった。
夢は無意識からのメッセージであり、ペルセポネがもたらす智慧とも言える。
今私たちは、現世と無意識を調停してくれる夢と言う存在に目を向けるべきではないか。
神話も両者の調停を、世界の調和と英知の象徴として崇拝してきている。
古事記では、伊弉諾命と伊弉冊命が、この世と黄泉の国を挟んで言い争っていたところを、二人の娘である菊理姫命(くくりひめのみこと)が調停したとしている。
現在、全国の白山神社では、菊理姫命と伊弉諾命と伊弉冊命が祀られている。
また、北欧神話の主神オーディンも、自らを自らのいけにえに捧げる儀式を行い、やはり冥府である巨人の世界に分け入り英知と魔力を手にした。
オーディンの冥府での探求神話は、大国主の黄泉での修行と重なる部分が多く、その共通点はシャーマンの伝承にも頻繁に見られる。
無意識の予感に敏感になることで、人は想像力を伸ばすことも、勘を鋭くすることもできるのかもしれない。
そして私たち全ての奥底には、種としての神性ペルセポネが眠っている。
彼女のメッセージにもっと耳を傾けることが、本当の宗教心を持つことにもなるだろう。
美輪明宏、江原啓之の両氏曰く、近年の人間同士の問題は、得てして想像力の欠如から発生している。
人の痛みを想像する心を失い、むしろそれを面白がるようなサディズム妄想ばかり逞しくしてきたことが、世界に憎しみの連鎖や、あらゆる生きにくさをもたらしてきた。
紙に書かれたものを教典として崇めることばかりに熱中し、本当の信心とは何かについての思考が停止したときから、宗教は腐敗していたのではないか。
いかなる神であろうと、彼らがくれた最高の教典は良心である。
顕在意識と潜在意識を結ぶ夢から、ペルセポネがもたらした良心という最高の教典を紐解くことが、一人一人の人間を生かし、あらゆる民族を誇り高く生かし、そして人類の永続を可能にする。
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